ニットやウール・セーターの生地・柄・デザイン・産地・素材の種類まとめ

ウール アイキャッチ画像
お客様
お客様
このメリノウール凄い肌触りいいですね!
いい素材を使ってますよね!
販売員
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お客様
お客様
このメリノウールってカムデンメリノですかね!?
もしくはボタニーウールとか!!
は…はは…(何言ってるか分からない)
販売員
販売員

 

ニットやウール、セーターには多彩なデザインや素材、生地が存在します。
同じように見えても、繊維や産地、編み方、生地や素材など様々です。

そんなニットやウール、セーターの

・ニット・セーターの柄・編み方・デザイン
・ニット・セーターの素材や繊維
・ウールの産地
・ウールの生地や素材

 

の種類についてまとめました。
ニットやセーター・ウールを知りたい、知識を高めたい方は参考にしてみて下さい。

※本ページは一部プロモーションを含みます。掲載内容は予告なく変更される場合があります。

ニット・セーターの柄・編み方・デザインなど

ニットやセーターには多彩なデザインが存在します。
そんなニット・セーターの柄・編み方・デザインについて

・比較的有名な柄や編み方・デザイン
・ちょっとマニアックな柄や編み方・デザイン

 

の2つの区分で解説していきますね。

比較的有名な柄や編み方・デザインについて

ウール その1

一般的なアパレル市場でよく出回っている柄や編み方・デザインは

・カーディガン
・チルデンセーター
・フェアアイルセーター
・ショールカラー
・アランセーター
・カウチンセーター
・アーガイルセーター
・バルキー(コースゲージ)セーター
・シェトランドセーター
・フィッシャーマンズセーター
・スカンジナビアセーター(ノルディックセーター)

 

となっています。
これらの種類を解説していきますね。

カーディガン

前飽き式のセーターの総称。
一般的に、Vネックラインでボタンフロントとなってものが主流です。

クリミア戦争で有名な英国のカーディガン伯爵から来たもの。
1855年に伯爵が戦場で考案しました。

チルデンセーター

Vネック周りと袖と袖口に色の付いた、2本のラインを配したケーブル編のバルキーセーター。
1920年~30年代にかけて活躍したアメリカの有名テニス選手「ウィリアム・チルデン」の名にちなんで呼ばれている。

フェアアイルセーター

スコットランド北北東のフェア島を原産地とするセーター。
伝統的なカラフルな横段模様を特徴とします。

ショールカラー

へちま襟と呼ばれる、細長く折り返った曲線的な一枚襟が特徴的なもの。
ニット・セーター以外にも、ジャケットや室内ガウンにも用いられます。

アランセーター

アイルランド西海岸のゴルウェイ湾にのぞむ、アラン諸島原産の手編みセーター。
「フィッシャーマンズセーター」の原型とされるセーターのひとつです。

太い糸で編まれているのが特徴的で、これを「アラン模様」とも呼ばれている。

カウチンセーター

カナダ西海岸バンクーバー島のカウチン湖周辺に住む、カウチン族の手で作られた防寒用セーター。
木や動物などをモチーフにした独特の模様と小さなショールカラーが特徴的です。

アーガイルセーター

スコットランド西部の地名に由来する、「ダイヤ柄」と呼ばれるひし形のチェック模様が特徴的なセーター。
英国を代表とする伝統的なセーターのひとつです。

バルキーセーター(コースゲージセーター)

太めの糸で編んだ、ざっくりとした感じのセーターの総称。
フィッシャーマンズセーターなどに代表されます。

「バルキー」とは「かさばった」という意味も含まれていますよ。

シェトランドセーター

スコットランド北部のシェトランド諸島の、紡毛糸で作られるセーターの総称。
霜降り調の外観とちょっとチクッとする肌触りが特徴的です。

フィッシャーマンズセーター

ケーブル編みやジグザグ編みなどを特徴とするバルキーセーターの一種。
北欧の漁夫たちに着られていたところからこの名前が付きました。

アランセーターなどの伝統的な手編みセーターに由来しています。

スカンジナビアセーター(ノルディックセーター)

北欧スカンジナビア地方で古くから用いられているセーター。
雪の結晶柄を特徴とした厚手のセーターで、ノルディックセーターとも呼ばれています。

ちょっとマニアックな柄や編み方・デザインについて

ウール その2

アパレル市場ではあまり出回っていないデザインとして、

・アーミーセーター
・アイスランディッシュセーター
・インディオセーター
・オイルドセーター
・ガーンジーセンター
・クリケットセーター
・サープリスセーター
・シェーカーセーター
・スカンジナビア(スキー)セーター(ノルディックセーター)
・ダンボールニット
・フルファッション
・ホールガーメント
・ロピーセーター

 

が挙げられます。
これらの種類について解説していきますね。

アーミーセーター

軍隊で使用するカーキやグリーンの色を特徴とした、シンプルな形のセーター。
第一次世界大戦時に、アメリカ陸軍の歩兵に支給されたのが始まりとされています。

アイスランディッシュセーター

アイスランド原産のフィッシャーマンズセーターの一種。
アイスランド産の羊毛を未脱脂、未染色のまま編み上げたものです。

毛足のある柔らかな感触が特徴とされています。

インディオセーター

中南米の高地に住むインディオたちが常用するセーター類のこと。
現在ではインカ模様を特徴とする、手編み感覚のバルキーセーターを総称とします。

オイルドセーター

羊毛の原毛を脱脂しないで編み上げたセーター。
実際にはアルカリと石鹸が混合させた液体で洗った原毛を編み上げ、製品の段階で樹脂加工を施すものを指します。

「オイル仕上げ」とも呼び、ラノリン油が残っているので

・防水性
・防湿性
・保温性

 

に優れているのです。

ガーンジーセンター

イギリス海峡チャンネル諸島のガーンジー島を原産地とする、フィッシャーマンズセーターの一種。
鉄紺色の太い糸で緻密に編み上げており、

・胸の部分に独特の編み模様
・浅いハイネック
・白の貝ボタンが付くデザイン

 

などが特徴的です。

クリケットセーター

英国の国技クリケットのユニフォームに用いられるセーター。
チルデンセーターに似た深いVネックと、大胆なライン使いが特徴的です。

コマンドーセーター

アーミーセーターの一種で「奇襲部隊」を指します。
特に、英国軍の肩や肘に補強の生地が付いたものがメジャーです。

サープリスセーター

前合わせが着物のような重ね式となった特殊な形のセーター。
聖職者や聖歌隊員の儀式用の白衣である「サープリス」に似ていることから名前が付きました。

シェーカーセーター

アメリカのシェーカー信者(震教徒)によって考案された、クラシックなセーターのひとつ。

フルファッション

フルファッション機と呼ばれる編み機で作られるセーターの総称。
カシミア、シルクなどの高級素材を使ったハイゲージニットを編む際に重宝されています。

ホールガーメント

「無縫製仕様の衣服」という意味。
特に1995年に「島精機製作所」が開発した、「ホールガーメント機」で編んだニット製品のことを指します。

縫い目が目立たなく、立体的に仕上がるという性質を持ちますよ。

ロピーセーター

アイスランドの漁師たちが16世紀ごろから着用していた、伝統的なセーター。
ロピーヤーンと呼ばれる甘くひねった特有の糸で編まれ、肩の周りに民族的な紋様を円形にあしらうのが特徴的です。

アイスランディッシュセーターの一種でもあります。

ニット・セーターの素材や繊維について

ウール その6

ニット・セーターには、多彩な素材・繊維があります。
そんなニット・セーターの素材には、

・アクリル
・セラミックウール(ウォッシャブルウール)
・オーガニックウール
・スーパーウール
・スポーツウール
・バージンウール
・ファインウール
・ラムズウール
・ダンボールニット

 

が存在します。
これら素材・繊維について解説していきますね。

アクリル

アクリロニトリルを原料とする合成繊維のひとつ。
1950年、アメリカの「デュポン社」から「オーロン」という名で生産されたのが最初です。

ウールを模した合成繊維として、ニット製品に多く多用されています。

セラミックウール(ウォッシャブルウール)

ファインセラミックスと呼ばれる素材を、繊維の表面に付着させた羊毛。
清涼感のある夏向きの素材として開発されたものです。

洗濯しても縮まない「ウォッシャブルウール」のひとつとしても知られています。

オーガニックウール

一切の化学的な処置や染色などを施さない、自然のままのウールを指す。
厳密な管理に置かれた牧場で育った羊から取れる羊毛を、そう呼ばれています。

スーパーウール

上質ウールであることを指す基準。
軽量で極細の羊毛糸を使ったウール地であることを証明した素材です。

繊度が19.5ミクロンの「スーパー80’S」から、13.0ミクロンの「スーパー120’S」とされています。

スポーツウール

AWI(ザ・ウールマーク・カンパニー)が、スポーツ分野向けに開発した、ウール新素材の登録商標名。
汗を吸収し発散させる湿度コントロール素材で、汗冷えや体温低下を防ぐなど、多彩な機能が備えられています。

バージンウール

羊から刈り取ったばかりの、未加工の羊毛を指す。
毛が細く柔らかいのが特徴的で、高価な羊毛として分類されます。

ファインウール

細番手の毛糸を用いて作られた、軽量のウール地のことを指す。
スーパー100番~120番のものを指す名称ともされています。

エクストラファインウールやスーパーファインウールなどの名称もこちらに分類されますよ。

ラムズウール

生後6ヶ月以内の仔羊の毛を指す。
非常に柔らかな手触りが特徴的で、高級素材のひとつです。

ダンボールニット

表面と裏面の間にダンボール状の綿を挟み込んだニット素材を言う。
保温効果が高いのが特徴的です。

ウールの産地

ウール その3

ウールには多彩な産地が存在します。
そのウールの産地の

・ウェリシュマウンテンウール
・カムデンメリノ
・サウスダウンウール
・ジーロンラム
・シロップシャーウール
・タスマニアウール
・ボタニーウール
・メリノウール
・リンカーンウール

 

について解説していきますね。

ウェリシュマウンテンウール

英国ウェールズを原産地とする、山岳種の羊から採れる羊毛。
保温性と耐久性に優れています。

カムデンメリノ

オーストラリアのニューサウスウェールズ州に産するメリノウールの一種。
最高品質のウールのひとつとして知られています。

サウスダウンウール

イングランド南部原産の短毛種の羊から採れる羊毛。
英国種の羊毛の中で最も歴史の古い羊毛とされており、特殊羊毛などと呼ばれるもののひとつでもあります。

現在ではアメリカのケンタッキー州やテネシー州でも生産されています。

ジーロンラム

オーストラリア南部ビクトリア州のジーロン市原産の、メリノ種羊の仔羊から採れるラムズウールを指す。
生後5ヶ月程で刈り取られ、カシミヤに最も似ていると言われる程の観賞区と風合いを持っている。

最高級の細番手ラムズウールとされています。

シロップシャーウール

イングランド中西部シロップシャー州に産する短毛種羊から採れる羊毛を指す。
弾力性と縮絨性に富んだ柔らかな毛質が特徴的で、ニットウェアやツイードに多く用いられる。

タスマニアウール

オーストラリアのタスマニア地方に産するメリノウールのひとつ。
非常に優れた羊毛が採れることで知られている。

タスマニアメリノとも呼ばれています。

ボタニーウール

オーストラリア産のメリノウールの中で極上品とされる羊毛のひとつ。
他の羊毛に比べて繊維が細いのが特徴的です。

メリノウール

スペイン原産のメリノ種の羊から採れる羊毛。
現在メリノ種の羊はオーストラリアを中心に改良種が多数存在し、世界最大の量と品質を誇っています。

最も上質な羊毛とされており、細番手のウーステッドを紡出しているのです。

リンカーンウール

英国産リンカーン種の羊から採れる羊毛。
長毛から採れるので、強くて太く、光沢感があります。

ドレス生地やカーペットなどに用いられます。

ウール生地の種類について

一口にウールと言っても、羊毛だけではありません。
また、多彩なウーレンファブリックが存在します。

そんなウールの生地において

・比較的有名な生地
・あまり聞き馴染の無い生地

 

の2つに分けて解説していきますね。

比較的有名なウール生地

ウール その4

アパレル業界でも出回っている比較的有名なウール生地は、

・アルパカ
・アンゴラ
・ウーステッド
・カシミヤ
・キャメル
・フェルト
・メルトン
・モヘア
・ラマ

 

が存在します。
これら生地について解説していきますね。

アルパカ

南米ペルーを主産地とするラマ属の動物アルパカの毛を原料として作られる生地。
コートやスーツ、ニットウェアなどに用いられ、薄地にも厚地にもすることができます。

アンゴラ

アンゴラウサギの毛。
柔らかで滑らかな感触が特徴的で、多くはセーターの素材として用いられる。

なお、アンゴラ山羊の毛を原料としたものはモヘアと呼ばれているので、注意が必要です。

ウーステッド

ウーステッドヤーン(梳毛糸)で織られたウール生地。
原毛の段階で梳られた長くて細い、なめらかな感触をもつ糸で織られています。

ビジネススーツのもっとも一般的な生地でもありますよ。

カシミヤ

アニマルヘアーの代表的な素材。
元々はインド北方のカシミール地方に産した、山羊(カシミヤ山羊)の柔毛を原料にしたものを言います。

・毛質が細い
・独特のぬめり感
・美しく柔らかな感触

 

を特徴としているのです。
「繊維の宝石」「最高級の天然素材」などと称されており、高級コートやニット製品などに用いられるが、現在ではカシミヤとウールの混紡ものも多く出回っている。

・ホワイト
・ブラウン
・グレー

 

の3タイプでランクが区分されていますよ。

キャメル

ラクダの毛。
イラクやロシア、中国などに生息する「ふたこぶラクダ」の毛が、衣類用の生地に用いられています。

温かくて軽いのが特徴的で、ポロコートなどの生地としてよく用いられていますよ。

フェルト

羊毛などを熱で圧縮加工した不織布で、主に帽子などに用いられています。
糸を織り上げることなく、繊維の状態で縮絨させて毛氈状に仕上げる理由もあってか、不織布の名前が付けられました。

メルトン

肉厚のフェルト状の紡毛地で、ピーコートなどの防寒用のコートやジャケット、軍服などに用いられる。
メルトンの語源は、英国中部レスターシャー州のキツネの狩猟地メルトン・モーブレイの地名から来ているとのこと。

モヘア

アンゴラゴート(アンゴラ山羊)の毛を原料にした素材。

・光沢が非常に美しい
・吸湿性に優れている
・ハリ・コシがある
・断熱性が高い

 

といった特徴があります。

ラマ

南米アンデス山脈に生息するラクダ科の動物「ラマ」の毛を原料とする素材。
ラマはアルパカより一回り大きく、毛質は少し劣ります。

あまり聞き馴染の無い生地

ウール その5

あまり聞き馴染のない生地として

・イリジアン
・カシゴラ
・カビク
・キヴィアック
・グアナコ
・サージ
・サキソニー
・シェトランド
・シャトゥーシュ
・シャミーナ
・チェビオット
・パシュミナ
・ビキューナ
・ヤク
・ローデン

 

が挙げられます。
これら生地について大まかに解説していきますね。

イリジアン

フランスを原産地とする紡毛地。
波状に表した羽毛を特徴とします。

カシゴラ

カシミヤの原料となるカシミヤ山羊と、モヘアの原料となるアンゴラ山羊の交配種であるカシゴラと呼ばれる山羊の毛から作られる繊維や糸・生地を指す。

独特の光沢としなやかで上品な質感を特徴としています。
カシミヤに次ぐ、高級なアニマルヘアーのひとつとされているのです。

カビク

フランス・ブルターニュ地方を原産地とするフェルト状の厚手のウール地。
水をはじき、風を通さないのが特徴とされている。

キヴィアック

北アメリカの北極地方に生息するジャコウ牛の産毛を指す。
氷河期を生き抜いたとされるジャコウ牛の産毛は、カシミヤ以上に優れた特質がある。

超高級ニット製品として扱われています。

グアナコ

南米アンデス山地に生息するラクダ科の野生動物の一種「グアナコ」の毛を原料とする素材。
家畜化が不可能な動物で、現在は絶滅寸前の貴重動物とされています。

高級素材「ビキューナ」以上に価値が高いとされているのです。

サージ

薄手の綾織ウーステッドの一種。
「背広はサージに始まりサージに終わる」と言われるように、スーツの代表的な生地です。

サキソニー

ドイツのサキソニーメリノという羊の毛を原料に作られたことから呼ばれる。
現在ではメリノ種の羊毛を使用した梳毛糸を綾織にして、縮絨・起毛させた生地を指すことが多い。

シェトランド

スコットランドのシェトランド諸島を原産地とする、羊毛糸から作る紡毛の高級ウール。

シャトゥーシュ

チベットの高地に生息するチルーというカモシカの毛を原料とした繊維・糸・布地のこと。
「キングス・ウール」と呼ばれるほど効果で希少な天然素材とされている。

軽く、薄く、温かいことから、地元ではヒマラヤの幻の鳥の羽で織られているという伝説まで生まれた。

シャミーナ

パシュミナを超える高級素材。
シャトゥーシュに近い性質を持つ素材で、インド・カシミール地方の牧場主「ムサディック・シャー」によって開発されたものと言う。

チェビオット

スコットランド南部のチェビオット丘陵を原産地とする山岳種羊毛のことを指す。
ヘリンボーンの織物が特に知名度が高いです。

パシュミナ

極めて柔らかく繊細な感触を特徴とする獣毛織物の一種。
インド北方からネパールにかけての山中に生息されるカモシカの一種、「アイベックス」の毛から作られたものとされている。

高級マフラーとして用いられています。

ビキューナ

南米のペルーやボリビアのアンデス山脈に生息する、ラクダ科の野生動物ビキューナの毛から作られる素材。
ビキューナは

・数が少ない
・人工飼育できない
・山岳地帯を素早く逃げ回るので、傷をつけずに捕まえられない

 

などの理由により、非常に高価な素材として扱われている。

ヤク

カシミールやチベットの高地にいるウシ科の哺乳動物。
カシミヤと並ぶ高級素材のひとつです。

ローデン

アルプスのチロル地方原産のごく厚手で毛羽のある紡毛地。
チロル地方の村落ローデラーズで16世紀頃から作られた毛布地に由来します。

まとめ

ニットやウールの生地・柄・デザイン・産地・素材の種類について解説しました。
ニットやウールの素材の知識を深めたい方の参考になれば幸いです。