アパレル販売の接客8大用語(7大用語)の重要性について【理解してますか?】
どういう意味があるか?どういう意味!?
アパレル店員・販売員なら、朝礼時や売り場に出る前にほぼ当たり前のように行う「接客8大用語(店舗によっては接客7大用語)」。
毎日行うので、もう体で覚えている方もいらっしゃるでしょうし、初心者でもスラスラと言えるようになっているもの。
またアパレル店員以外でも、多くの接客業は朝礼時などに行う超基本的な接客用語。
接客業に携わっていれば誰もが知っているでしょう。
ではこの接客8大用語(7大用語)ですが、何の為に行うのか?
どういった場面で使うのか?
そして、どういった意味があるのか?
初心者に限らずに、意外と分かっていないアパレル店員の接客8大用語。
普段何気なく使っている方もそうでない方も、改めて学習しましょう。
意味を踏まえて学習すれば、よりお客様に必要な接客用語の理解が深まりますよ。
接客8大用語(7大用語)とは
改めて接客8大用語についてですが、
・ありがとうございます
・少々お待ちください
・お待たせ致しました
・恐れ入ります
・申し訳ございません
・かしこまりました
・失礼致します
となっています。
店舗によっては「失礼致します」を除いた接客7大用語、
・ありがとうございます
・少々お待ちください
・お待たせ致しました
・恐れ入ります
・申し訳ございません
・かしこまりました
もありますよ。
もう殆どの人が知っているので今さらこんな事を並べても
と、思われているでしょう。
ではこの基本的な接客用語は
・どんな場面で使うのか
を理解しているでしょうか?
案外何も知らずに毎日「接客8大用語」を唱和しているもの。
その具体的な言葉の意味や場面について、1つ1つ解説していきますね。
いらっしゃいませ
お客様が来店された際に使用する超基本的な接客用語。
いらっしゃいませとは、そもそも
を組み合わせた用語で
・ませ → 「ます」の命令形に当たり、ますは動詞の丁寧語に当たる
つまり、
が変化したもので、
となっています。
でしょうね。
例題を用います。
例えば、八百屋さんなどの個人商店で「いらっしゃい!いらっしゃい!」と言う店員さんもいます。
言葉の内容自体は全く問題無いのですが、丁寧さが無いので
・品位や価値を落とす
から不適切です。
八百屋さんのような「いらっしゃい!いらっしゃい!」が通用するのは
・品位や価値をウリにしているお店ではないから
からです。
これが高級な野菜を売り出しているお店だと、ブランドの品位が出て来るので「いらっしゃい!」は不適切になります。
そこで、丁寧さをプラスしてくれる丁寧語「ませ」を追加することにより、
のです。
仰る通り
しかし「ます」という言葉を使ってしまうと、
・来店したのに完結していない(「まだこれからも来店しますよ」という意味が含まれている)
という内容になってしまうのです。
別に2時間後に来店とかじゃないし
となってしまうので、不適切なのです。
先程「ませ」は「ます」の命令形と伝えましたが、この命令形は
に使うのです。
来店したことが完了しているのに「ます」という発言は言葉遣いとしては不適切に当たります。
なお、
命令形とは:文末を言い切る時に使う言葉(完了する場合に用いる)
となっていますので、簡単に理解して頂けたら幸いです。
もちろんですけど、
は尊敬語で無いので論外ですね。
ありがとうございます
・お客様が商品購入(もしくは購入決定)した
・お客様が帰る時
などに使う言葉で、
を組み合わせた接客用語です。
・ございます → 「ある」の丁寧な言い方
が語源となっています。
例としてお客様に
と言っても
・「ありがたいです」は含みを感じる(「ありがたいです…が、」といった断りを連想する意味として捉えてしまう)
ので、不適切です。
アパレルブランドとして丁寧さが無いのは、先程も記載した通りにブランドの品位や価値を下げる行為に繋がります(断りの意味合いの「含み」はともかくとして)。
「ありがたいございます(もしくは、ありがたくございます)」は言いにくい・発音しにくい用語なので、言いやすくさせるための「音便」を用いるのです。
実際発言をしてむちゃくちゃ言いにくいのが分かるかと思われます。
「ありがたい」以外にも、「おめでたい」といった言葉も「おめでたいございます」とは言いませんね。
「おめでとうございます」と言い換えます。
この発音しやすくなる言い換え「音便」を用いるので、「ありがたいございますは」あり得ない言葉です。
まぁそこまで突っ込む人は少ないと思いますが、そんな事を言ってたなぁ程度に覚えて頂けたらで結構ですよ。
「ありがとうございました」は不適切?
ハッキリ言います、殆どの場面で不適切です。
理由は、
・完了した意味でも使われるので「次はありがとうとは言わないよ」という内容も含んでいる(平たく言えば二度と来るなという意味が含まれている)
からです。
ただし、
という過去形に対する意味であれば問題ありません。
まぁ最近では「ありがとうございました」に対してうるさく指摘することもないので、店舗によっては寛大な場合もあります。
…が、
・時系列を意識して言葉に気を付けたい
のであれば、意識するようにしましょう。
特に
・年齢層の高いお客様を相手にするお店
であれば、覚えるべきかと思われます。
少々お待ちください
・商品をお持ちする時
・取り寄せ対応
・金銭授受での対応時
・商品をお渡しする時
などで、お客様をお待たせする際に使用する言葉です。
を組み合わせた用語で、
・お待ちください → 尊敬を表す接尾語「お」+「待つ」+「くれ」の丁寧語「下さい」
が語源となっています。
つまりは
となっているのです。
「少々」という意味も重要で、
・すぐに対応致します
という
といった内容が含まれているので、この「少々」という単語をくっつけるのは重要です。
ただし、
は、少々という言葉は不適切です(というか、嘘つきになります)。
その場合は
といった、おおよその時間を伝えるようにして下さい。
5分以上も待たせる対応なのに
は、
と、クレームに繋がる可能性があるので注意して下さい。
お待たせ致しました
「少々お待ちください」からお客様に待たせてしまった際に使う接客用語で
を組み合わせた用語です。
・致しました → 「した」の謙譲語
が語源となっています。
言わずもがな
なんて言ったら最悪です(メタルギアソリットのスネークかよ)。
自分をへりくだり(控え目な態度を取り)、自分を下げてお客様を立たせるように、謙譲語を用いた言葉を使うようにしましょう。
ですので、ご確認を。
なお、長時間(3分以上)待たせる場合は
と、「大変」を付けるようにしましょう。
「お待たせしております」は不適切な言葉です
最近やたらと耳にするアパレル店員の「お待たせしております」。
結論から言うと不適切です。
理由として
です。
とお客様に言った際は
と思われてしまいます。
ここ数年でやたらとアパレル店員間で広がった「お待たせしております」はタブーとされているので、避けるようにして下さい。
ぶっちゃけハイブランドやラグジュアリーブランドでも使っている販売員がいるので、誰も注意しないのかなと思っています。
恐れ入ります
意外と使う場面が難しい接客用語ですが、
・お客様に質問をする、何か尋ねる時
・感謝や謝罪を述べる時
に使います。
相手に感謝や敬意を伝える意味ではありますが、
・申し訳ございません
の内容が含まれているのです。
主に
に使用します。
・「申し訳ございません」だと謝罪の気持ちが強すぎる
場合に使用するのが適切です。
以下に例を設けたので、参考にして頂けたら幸いです。
クロージング・お見送りの際:ありがとうございます
金銭授受で現金を受け取った:ありがとうございます
クレジットカードの際にサインを要求する時:恐れ入ります
接客中、お客様に質問をするとき:恐れ入ります
お客様が道を開けてくれた:恐れ入ります
お客様の希望の商品が店舗在庫に無かった場合:申し訳ございません
クレーム・ご指摘:申し訳ございません
お客様に不快な発言をしてしまった:申し訳ございません
お客様に失態・醜態をさらしてしまった:申し訳ございません
上記以外にも場面場面によって使用頻度を分けるので、「恐れ入ります」の接客用語に慣れて下さい。
申し訳ございません
「恐れ入ります」でも解説した通り
・クレーム・ご指摘
・お客様に不快な発言をしてしまった
・お客様に失態・醜態をさらしてしまった
といった、お客様にご迷惑おかけしてしまった場合の謝罪に使用します。
を組み合わせた用語で、
・ございません → 「ある」の丁寧な言い方「ございます」の否定語
が語源です。
意味としては、「弁解・良い訳の余地がない」を丁寧に伝えた言葉になります。
なお、
・ごめんなさい
も謝罪の言葉ですが、上記2つは
・「恐れ入ります」よりフランクなので、謝罪の気持ちが弱く感じる
ので、お客様に使用しないで下さい。
かしこまりました
お客様から命令された、指示された際に使う言葉で
という場面での使用が主となります。
平たく言うと「分かりました」という意味の敬語で、目上の人(上司や先輩)にも使えますよ。
同じ意味になる
・承知しました
も実は間違いではありませんし、お客様に対してそこまで不適切な発言ではありません。
…が、
なので、これは避けて下さい(信頼関係ができているのであれば別)。
どちらも同じ意味合いなので、言い慣れている「かしこまりました」を言うのが良いでしょう。
失礼致します
自分がお客様に対して何かをする際に行う接客用語で
・お客様の場を一旦離れる
・従業員がお客様に接客中、その従業員に通達しなければいけない時
などに使用します。
を組み合わせた用語で、
・致します → 「する」の謙譲語
の語源が含まれています。
直訳すると「失礼なことをしますよ」といった意味があるので、
・ちょっとだけ無礼な事をしなければならない
時に使用するのです。
接客7大用語に「失礼致します」が含まれなかった理由は、恐らく「お客様にご迷惑をかけてしまう行為」だからかと思われます。
比較的使うシーンは多いので、覚えておきましょう。
まとめ
こうして見ると、接客8大用語には売り場での必要な接客用語がたっぷりと詰まっているのです。
そして、言葉の意味を深堀りしていくと、
・どういった場面で使えば良いのか
が分かり、より一層接客8大用語を上手に使えるでしょう。
接客8大用語を理解し、
・後輩や部下に具体的に教えられるようにする
ことができるようにして下さい。