【アパレル店員初心者向け】おしゃれな服=売れる服ではない
やっぱり売れてますよね!
腐るほど在庫残っていて、倉庫に送り返したい位だわ
どの洋服(もしくは商品)にも、おしゃれなアイテムとそうでないアイテムが存在します。
ついついおしゃれでかわいい服を見ると「この服は絶対に売れるな」と思いがちですが、そんなことはありません。
店舗の販売員全員が「かわいい服」と思っても全く売れない事も多々あるのです。
ではなぜ、かわいい服・おしゃれな服なのに全く売れないのか、解説していきます。
好みの服は人それぞれ
これを言ってしまうと「でしょーね」と思われてしまうのですが、いざ売り場で接客となると、ついつい自分の好みの服を薦めがち。
受動的に接客するのであれば「かわいいですよね~」と言っておけば問題ありません。
ですが、こういう場面はどうでしょうか。
と言われたとします。
そこで自信を持って
と言っても、完全にお客様のニーズ(好み)を外したら
となってしまいます。
ここで、
と思わないようにして下さい。
トレンドやファッション感度が強い販売員同士が「かわいい」と思っていても、お客様にとっては「派手」「恥ずかしくて着れない」「若すぎる」と思っていることが多々あるのです。
逆もしかりで「ダサい」「地味」「トレンド性が無い」と思う事もありますね。
まずはここを理解して下さい。
そのテナント・店舗の年齢層や客層によっても変化する
例えば、年齢層が20代をターゲットにしたアパレルブランドだとします。
しかし店舗によっては、20代はおろか、40代~50代がメインの客層ということは多々あります(特に地方都市や都心部から離れた場所のお店)。
そういったターゲット層を相手にすると、たとえトレンド商品・かわいい商品であっても、
と感じてしまいます。
と思うかも知れません。
しかしここはぐっと堪えて、どの年齢や客層であっても、ニーズに応えるようにするのが売り上げアップに繋がります。
ニーズを把握するには
となりますが、ざっくり簡単に申し上げると、お客様の
・服装
・一点目に購入する商品
・体型
から判断できます。
もちろん直接的にお客様から「どんな服が欲しいんですか?」と聞けるのがベストですが、聞いたら聞いたで
となってしまいますのでやめましょう(超高確率で答えてくれません)。
これら4つを具体的に深堀りしていきます。
見た目の年齢
単純に外見ですが、ここで言う見た目の年齢は
・30代に見えるが実は50代だった
というもので、実年齢ではありません。
では、見た目の年齢において必要な事は一体どういうことか?
・トレンド性に特化した服を紹介すべきか(流行りの服を紹介するか)
などなど。
それ以外にも
・ある程度露出を出した服を紹介するか(半袖カットソー・タイトスカート・ハーフパンツなど)
といった選択肢も、年齢によって判断できます。
基本的には男女関係無く
・トレンド性に特化した服・ある程度露出を出した服を紹介する:年齢が若い人向け(10代~20代向け)
と判断して良いでしょう。
こういう傾向を知っておくことにより、服をお客様に紹介した際に売り上げアップに繋がりやすいです。
服装
上の画像から判断し、どちらの方がフェミニン・ガーリーな服(かわいらしい女性的なファッション)を好むでしょうか?
女性なら恐らく分かるかと思いますが、正解は左側です。
・フレンチスリーブのシンプルな白地のカットソー
が、該当します。
逆に右側の
・10cm程のヒール
・ロングカーディガン
といったアイテムは、きれいめ系ファッションを想定します。
そんなきれいめ系ファッションの人にフェミニン・ガーリーな服を勧めても、高確率で
と否定的になるでしょう。
今着ている服装だけでも、お客様の好みは絞れますよ。
こちらの内容は男性においても同様です。
1点目に購入する商品
例えばワイドパンツを購入予定(もしくは既に他のお店で購入済)だとします。
ワイドパンツであれば、まさかもう一本ワイドパンツを購入しようとは思わないですよね(あったとしても低確率です)。
また、確率的に違うデザインのボトムスを購入しようということも避けます。
つまり、1点目に購入予定(もしくは購入済み)の商品とは違った商品ジャンルを紹介するのがベストです。
ただし、注意して欲しいのが「違う商品であれば何でも良い」訳ではありません。
その購入した商品と合わせやすいアイテムを紹介するのがベストです。
例えば
5cm程の黒のヒール:冠婚葬祭用の上下、ひざ下のスカート、ワイド以外のボトムスなど
ジャケット・コート:中に合わせるトップス類(ボトムスは確率的に低め)
などなど。
説明するとキリが無いですが、その商品に合う、上手に着こなせる服をセレクトするのがベストです。
もちろんワイドパンツ以外でも、トレンチコート、ボーダーニット、フレアスカート、ポロシャツ等々。
あらゆるアイテムから次のコーディネート提案(ニーズに叶った商品提案)をしていくことができます。
初心者では少し難しいかも知れませんが、経験を積み重ねれば自然と良い組み合わせのパターンが複数出てきます。
ちょっとずつ経験を積んでいきましょう。
体型
見た目の年齢とは違った、体つきに関するニーズです。
例えば、お腹が出ている人がタイト(細身)なTシャツ・カットソーを好む訳がありません。
また、二の腕がプヨプヨ・ダルンダルンの人が半袖を好むかと言うと、避けたいですよね。
お客様の多くは「おしゃれをしたいがコンプレックスとなる体型を隠したい」のです。
そのお客様を見て、どこがコンプレックスであるか、こういった服装が良いだろうかというのを提供するようにして下さい。
代表的なコンプレックスとして
二の腕が太い:二の腕が隠れる5分袖の服
二の腕が細い(男性向け):二の腕が太い人と同様の隠れる服
背中のお肉が気になる:背中が隠れるゆったりめの服
お尻が垂れている:お尻が隠れるチュニック・ワンピース
ふくらはぎが太い(サッカーや陸上などをやっている男性など):テーパードが効いたボトムス
背が小さい(女性向け):ロングパンツ、ひざ上・ひざ下スカート(ワンピースやロングスカートはNG)
背が小さい(男性向け):ロングパンツ(ハーフパンツやワイドパンツは避けた方が無難)
特にこれらの項目は、薄着になりやすい(肌の露出が出やすい)暑い夏の時期に多いですよ。
だからと言って
という、「二の腕が太い人」といった余計なひと言は絶対に言わないで下さい。
クレームに繋がります。
ニーズが叶っていたら、おしゃれな服を勧めるのはアリ
例として
身長:158cmほど
見た目年齢:30代中盤
服装:きれいめカジュアル系(アンクル丈のスラックスイージーパンツ、黒のプルオーバー)
一点目に購入した商品:秋冬用のベージュのミドルトレンチコート
気になる体型の部位:二の腕、お腹
季節:夏
とします。
ここで、自分がおしゃれだと思う商品が「柄物のゆとりのあるトップス」であったら、お客様が気に入る確率は高まります。
つまりは、お客様の年齢・体型・身長・購入したものを理解していけば、自ずと次に紹介すべき商品が瞬時に分かるのです。
もっと言ってしまえば、上記の情報を知っていれば「従業員や自分がかわいいと思っていて、おしゃれな服を勧める」ということはしなくなります。
結局はお客様都合です
これを読むと、
お客様都合であれやこれやと決めなきゃいけないんじゃん!
と思われますが、はっきり言います。
その通りです。
全てはお客様のニーズ次第です。
どんなにダサかろう、デザインが悪かろうでも、結局はお客様のニーズに叶っていれば、トレンドやらおしゃれやら関係ありません。
もっとハッキリ言ってしまえば、販売員やあなたのファッションセンスは求めていません。
「お客様のニーズをどれだけ応えられるか」を求めているのです。
ブランドのターゲット層や、ネームバリューなんて度外視しちゃっていいのです。
十人十色で各々のニーズに合ったアイテムを探しているからです。
その為にも、
・服装
・一点目に購入する商品
・体型
という、見た目の情報というのを理解するのが大事です(本当はもっと多岐に渡る情報が必要ですが、初心者向きなので割愛します)。
アパレル販売初心者のうちは
って思っている人も多いかと思いますが、それはあなたのエゴ・独りよがり(自己中心的)です。
もっとお客様の立場になって、ニーズを引き出すのが重要ですよ。
まとめ
本当はもっともっと色々と伝えたいのですが…。
初心者向けということもあってか、この辺りで抑えておきます(初心者が必要以上に知識を得ようとするとパンクする恐れがある為です)。
また「ちょっとよく分からない」という方は、何度でも読み返して、イメージするようにしてみて下さいね。
まずは、初心者にも比較的分かりやすい
・服装
・一点目に購入する商品
・体型
が、ニーズを把握することにおいて重要ということを知って頂けたら幸いです。
まずはそのことを理解してくれるだけでも十分だ
「かわいい服だから売れる訳じゃあない」という事さえ知っていれば問題無いし、ちょっとずつ理解していけばいい
だから不安がるな
ちなみに店長はうちの商品でどの服が一番おしゃれだと思いますか?
ありがとうございます!
私にファッションセンスは無いって言いたいのか!?