綿・コットン素材の種類や特徴・産地まとめ10選【綿番手・糸番手も】
肌触り的に超長綿ですよね!もしくは海島綿とか!
アパレルで衣料品ブランドの勤務をしていたら、当然のごとく出て来る綿・コットンの素材。
綿と言えど範囲は広く、産地によって素材感や品質は大きく異なります。
そこで今回は、綿・コットンの素材を18選まとめました。
アパレル業界でも使える商品知識となるので、アパレル関係にお勤めの方は覚えておいて損ではないですよ。
綿番手と繊維の長さについて
綿の産地の解説の前に、綿番手について説明します。
コットンは「綿番手(英式番手)」と呼ばれる糸の太さを表す数字があるのです。
糸が細ければ細い(番手の数字が増える)ほど高級綿としての扱いになります。
具体的には、
・2番手は、1ポンド(約453g)の重さで1680ヤード(約1,536m)の長さ
・3番手は、1ポンド(約453g)の重さで2520ヤード(約2,304m)の長さ
という風に、1番手を基準にヤード(長さ)がかけ算方式で増えていくのです。
なお、綿の内訳は大まかに
・中繊維綿:15番手~50番手(21mm~28mm未満)
・長繊維綿:50番手以上(28mm以上)
・超長繊維綿(超長綿):35mm以上
の4種類で構成しており、これらは全て産地によって異なります。
一般的には「中繊維綿」が一番多く流通していますよ。
綿・コットンの産地と各種特徴について
本題に入ります。
綿・コットンの産地は以下の通りになっています。
・インド綿(スヴィンコットン)
・ブラジル綿
・ペルー綿
・スーピマ綿
・海島綿(シーアイランドコットン)
・アメリカ綿(米綿)
・ジンバブエ綿
・トルファン綿(新疆綿)
・パキスタン綿(パキ綿)
聞き馴染のあるものからそうでないものまであるかと思われますが、それら10種類を解説していきます。
エジプト綿
エジプトのナイル川流域で生産されるコットンで、世界三大高級綿のひとつです。
60番手以上の綿を使用しており、中には100番手以上を使用した超長綿も数多く存在します。
毛筋が長く細く強く光沢があり、絹に似た艶感を持っているのが特徴的です。
インド綿(スヴィンコットン)
インドで栽培され産出されるコットンの総称。
コットンは元々インドでが原産地とされており、コットン素材の商品は昔からインド綿を用いていました。
短繊維綿(デジ綿)が一般的ではありますが、南インドの「スヴィン(スビン)コットン」と呼ばれる超長綿も扱っています。
ブラジル綿
ブラジルで産出されるコットンの総称で、南ブラジルが多く輸出している。
一般的に中繊維綿を扱っており、繊維が強いのが特徴的です。
なお、ブラジル東端の港町の名前の超長綿「オーリンダコットン(オリンダコットン)」もあります。
ペルー綿
南米のペルーを産地とする綿で、強度と柔らかさを持つ。
エジプト綿とアメリカ綿の中間位の高品質コットンです。
超長綿として扱われている「ペルーピマコットン」もあります。
スーピマ綿
アメリカ南西部のアリゾナ、ニューメキシコ、テキサス、カリフォルニアなどで栽培されるコットン。
アメリカのスーピマ協会によって承認されるピマ綿の商標であり、柔軟性・発色性・耐久性に優れた超長綿です。
某有名アパレルブランドのお蔭で知名度の高い高品質コットンで、世界三大高級綿のひとつです。
海島綿(シーアイランドコットン)
海島綿(かいとうめん)と呼ぶ、エジプト綿と同じ性質を持つ最高級綿のひとつ。
シーアイランドコットンとも呼びます。
アメリカ南部の沿岸地域から西インド諸島にかけて栽培されるもので、しなやかさは世界最高級とも。
100番手以上の細糸を作ることができます。
アメリカ綿(米綿)
アメリカで産出される綿で、米綿とも呼ぶコットンです。
中繊維綿~長繊維綿のものが多く、輸入面として最も多く用いられています。
耐久性に優れているのが特徴的です。
ジンバブエ綿
アフリカ南東部の内陸国、ジンバブエ産の麺素材。
化学肥料を用いず機械も使わず手摘みで行うので、しなやかで白く柔らかく上質で自然なムラ感の出る糸が作れます。
主にジーンズ等で用いられている超長綿の1つであり、高品質なコットンが魅力的です。
トルファン綿(新疆綿)
中国西北部のトルファン地域で栽培されるコットンで、世界三大高級綿のひとつ。
別名「新疆綿(しんきょうめん)」とも呼ばれる超長綿で、滑らかな肌触りと光沢が特徴的です。
パキスタン綿(パキ綿)
パキスタンで産出されたコットンで、略語でパキ綿とも。
短繊維綿を呼ばれる安価な綿を用いており、主に1970年代のロック・バンドTシャツに使われていました。
現在ではそれらTシャツに希少性もあり、高価で取引されているとのこと。
産地による各繊維綿・番手一覧
10種類の産地の綿を以下の繊維綿・番手によりまとめました。
・中繊維綿:アメリカ、ブラジル
・長繊維綿:アメリカ、ペルー
・超長繊維綿:エジプト、ペルー、スーピマ(アメリカ)、海島綿(アメリカ・インド)、スヴィン(インド)、オーリンダ(ブラジル)
同じ産地でも一部地方や地域によって繊維綿は異なりますので、あくまで目安として捉えて下さい。
まとめ
綿・コットンの産地や特徴、綿の細さと番手の違い(繊維綿の違い)について解説しました。
同じコットンでも、産地によってこれ程までに質感が変わってくる綿の奥深さ。
本記事を参考にし、綿の産地と特徴を覚えて頂けたら幸いです。